M3132●江戸明治和本●百姓袋[百姓嚢]享保16年 西川如見

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●江戸明治和本●〈士農工商通用〉百姓袋[百姓嚢](享保16年)
【判型】半紙本5巻5冊。縦224粍。
【作者】西川如見(忠英・求林斎)作(後印本では貝原益軒に仮託)。
【年代等】享保6年10月序。享保16年10月初刊([京都]茨城多左衛門(柳枝軒)板)。文政8年8月再刊([大阪]秋田屋太右衛門(宋栄堂)板)。江戸後期再刊([大阪]秋田屋太右衛門(宋栄堂)板)。
【備考】分類「農業・教訓」。『百姓嚢』は、幕藩体制下の農民の処世訓。5巻。教訓。西川如見著。享保6年自序。同16年京都柳枝軒刊。いわゆる「ふくろもの」と呼ばれる如見の代表作の一つ。士農工商の階級中、最も重要な生産力を持つ農人を百姓と代名し、重農主義を強調したもの。人間の食糧生産の十分な向上のため、元禄期の農業書の出版普及を受けて、技術の普遍化を企図している。農業を中心としているが、漁業にも言及し、食生活の古今東西の相違を論じ、粗食長命・肉食短命論を展開し、一夫一婦制をも強調する。その倫理観は謙下質素を基本とすべきことを論じ、中国思想、神仏混淆思想によって、諺・童謡などにも言及する。巻1は百姓の定義を始め12項、巻2は殺生の戒を始め12項、巻3は積善積悪の論を始め14項、巻4は薯藷論を始め8項、巻5は夜さむ麦吉の論を始め12項を収める。本書は、宮崎安貞著『農業全書』の影響下に、幕藩体制下の農漁業従事者の倫理を説いたものであるが、重農主義の立場を強調して、食生活の改善、質素実義の重要性を論じた点は特異である(「日本古典文学大辞典」参照)。百姓への心得書。衣食住を人間の三養として、その三養を生産する百姓の重要性を述べ、同時にその百姓に対し、節約・勤勉を奨励した内容(日本史研究参考基礎史料一覧HP参照)。
★原装・題簽付(一部摩滅)・状態概ね良好。1冊入れ本。
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